こんにちは。こんばんは。シンママナースのたまごです。
患者さんの「いつも通り」という言葉ほど、判断が難しいものはありません。
特に呼吸器疾患のある方は、息苦しさに慣れてしまっていることがあります。
今回は、私が「何か違う」と感じたことで入院につながった患者さんのお話をしたいと思います。
訪問看護師は何を見ているのか
わたしたち訪問看護師は、訪問してすぐに「調子はどうですか?」などの日常会話を楽しみます。
その会話の途中で聞こえる息遣いや、受け答えのズレ、口の中の乾燥具合、口臭などを自然に確認しています。
特に肺がんや間質性肺炎などの呼吸器疾患がある患者さんは、常に普通の人よりも息苦しそうな状態が続いています。
中にはそれに慣れている方もいらっしゃって、肩で息をしているにもかかわらず「苦しくない」「いつも通り」と思っていらっしゃる方も少なくありません。
コロナ禍で耳にしたことがある方も多いと思いますが、酸素飽和度(SpO₂)という数値があります。健康な人は96%以上が一般的ですが、呼吸器疾患のある方は90~94%程度でも普段通りに生活されていることがあります。
「何か違う」と感じた患者さん
今回ご紹介する患者さんは、肺に転移性のがんがある方です。
もともと日中にも咳が多く、血痰が出ることもありました。
普段から会話中にフーフーという呼吸音が聞かれる方です。
しかし、その日は訪問した瞬間に「あれ?今日はきつそうだな」と感じました。
ほんの小さな違和感です。
すぐに酸素飽和度を測定すると88%。
普段は94〜97%ある方でした。
深呼吸をしてもらいながら肺の音を確認すると、いつも以上にザラザラした音が聞こえます。
「今日は痰はしっかり出ましたか?」
そう尋ねると、
「いつもより少ないかな」
という返事でした。
深呼吸を続けても91%までしか上がりません。
熱はありません。
水分摂取を促しても、タッピングをしても痰は出ません。
違和感がどんどん大きくなってきました。
患者さんは「いつも通り」と言う
しかし患者さんは、
「いつもこんな感じよ」
と言われます。
確かに普段から肩で呼吸をすることが多く、肺の音もザラザラしています。
でも、明らかに何かが違う。
立ち上がって少し動いてもらうと、さらに違和感は大きくなりました。
ふらつきがあったのです。
本人に伝えても、
「平気」
の一点張り。
そこで私は、自分の違和感を信じて病院へ連絡することにしました。
病院へ伝えたのは、
・呼吸状態が普段と違うこと
・SpO₂が低下していること
・歩行時のふらつきがあること
でした。
病院からは、
「心配なら受診してください」
という返答でした。
もちろん、私が病院側の立場でも同じことを言ったと思います。
それでも「心配なら受診してください」と言っていただけたことで背中を押され、ご家族へ連絡して受診してもらうことになりました。
結果は肺炎でした
受診の結果は肺炎でした。
やっぱりなぁと思いました。
病院で酸素投与を受けたことで呼吸もかなり楽になり、ご本人も安心されたそうです。
小さな違和感を大切にしたい
患者さんは、入院になるかもしれないと思うと「大丈夫」と言われることが少なくありません。
特に入院をしたくないと思っている方ほど、少し無理をしてでも「大丈夫」と言われます。
もちろん、ご本人としては本当に大丈夫だと思っていることもあります。
だからこそ、私たち看護師は小さな違和感を見逃さないようにしています。
その違和感に早めに対応することで、患者さんを少しでも早く楽にしてあげられることがあるからです。
まとめ
「これくらい大丈夫」
「いつも通りだから」
そう思っていても、周りから見た小さな違和感が体調変化のサインであることがあります。
ご家族が感じた違和感も、看護師が感じた違和感も、決して軽視してはいけないものだと思います。
これからも私は、患者さんの言葉を大切にしながら、自分が感じた小さな違和感にも真摯に向き合える訪問看護師でありたいと思います。

