こんにちは。40代シンママナースのたまごです。
みなさんは、もし自分や大切な家族が主治医から
「治療の効果がありません」
と言われたら、どんな気持ちになるでしょうか。
今日は、訪問看護師として多くのご家族と関わる中で感じていることを、お話したいと思います。
「がん」と向き合いながら過ごす時間
「なんだか調子が悪いな…」
そう思いながらも、
- 忙しくて病院に行けない
- 行くのが怖い
- まだ大丈夫だと思いたい
そんな気持ちで過ごしている方は多いと思います。
そして勇気を出して病院を受診し、検査を受けた結果、
「がんです」
と告知を受ける。
そこから、
- 抗がん剤
- 放射線治療
- 手術
- 食事療法
- 民間療法
など、たくさんの治療と向き合いながら生活が始まります。
「治療の効果がありません」と言われた日
治療を続けて数か月、あるいは数年。
定期受診の日に、主治医から
- 「治療の効果が出にくくなっています」
- 「これ以上の治療は難しいかもしれません」
- 「今後は、ご本人らしく過ごす方法を考えていきましょう」
と話をされることがあります。
いわゆる「余命宣告」と呼ばれる場面です。
頭が真っ白になる
それまで、
- 髪が抜けても
- 吐き気があっても
- 食事が取れなくても
- 体力が落ちても
頑張れていたのは、
「治したい」「治るかもしれない」
という希望があったからだと思います。
- 子どもの成長を見たい
- 孫に会いたい
- 春を迎えたい
そんな目標が、生きる力になっていた方も多いはずです。
だからこそ、
「治療ができない」
と言われた瞬間、多くの方が頭の中が真っ白になります。
そのあとの説明が入ってこないほど、ショックを受ける方も少なくありません。
それでも、たくさんのことが決まっていく
そんな中でも、
- 訪問看護
- 訪問診療
- 介護保険
- ホスピス見学
など、さまざまな話が進んでいきます。
もちろん、医療者側も丁寧に説明しようとしてくれます。
でも、ご本人やご家族からすると、
「周りがどんどん進めていく」
ように感じることもあります。
それくらい、心が追いついていない状態なのです。
「自宅で過ごす」という選択
最近は、
「最期まで自宅で過ごしたい」
と希望される方も増えています。
実際、
「まだ歩けるから家で過ごせそう」
と考えられるご家族も多いです。
ですが、病気が進行すると、
- 急な痛み
- 呼吸苦
- 食事量の低下
- 筋力低下による転倒
- 夜間の不安
など、さまざまな問題が起こることがあります。
そのため、
ご家族の頑張りだけで支えることは難しい
場面も出てきます。
「無理かもしれない」と思うことは悪いことじゃない
ご家族の中には、
「寝たきりになったら自宅では難しいかもしれない」
と話される方もいます。
でも、それは冷たいことではありません。
どこまでなら頑張れるのか。
何が不安なのか。
それを考えることは、とても大切なことです。
そして、その気持ちは途中で変わってもいいのです。
訪問看護師がいることで安心できることもある
実際に訪問看護が始まると、
「安心しました」
と言ってくださるご家族がとても多いです。
特にご本人よりも、ご家族がおっしゃいます。
- 急に苦しそうになったらどうしよう
- 夜中に何かあったらどうしよう
- 呼吸が止まっていたらどうしよう
そんな不安を抱えながら生活するのは、本当に大変です。
だからこそ、
「24時間いつでも連絡してください」
と言われるだけで、ホッとされる方もたくさんいます。
自宅に帰ると元気になる方もいる
不思議なのですが、
自宅に帰ることで元気を取り戻される方も少なくありません。
- 好きなものを食べる
- 家族と話す
- 自分の布団で眠る
- 外の空気を感じる
そんな時間が、
「生きたい」
という気持ちにつながることがあります。
実際、
「数週間」と言われた方が、数か月、半年と穏やかに過ごされることもあります。
希望を持つことは悪いことではありません
希望を持つことは、とても大切です。
でも、
「死なないはずだから準備しない」
ということとは少し違います。
訪問看護や訪問診療、介護保険などを利用することは、
「諦める」ことではありません。
むしろ、
穏やかに過ごすための準備
だと、私は思っています。
穏やかに過ごすために大切なこと
病気が進行すると、痛みが出ることがあります。
でも、
「あれ?少し痛いかも」
という段階で教えていただけると、早めに対応できます。
痛みを我慢し続けることは、ご本人だけでなく、見ているご家族もつらくなってしまいます。
そしてもうひとつ大切なのが、
ご家族が無理をしすぎないこと
です。
介護をしているご家族は、
- 夜も眠れない
- 常に緊張している
- 「何かあったら」と不安
という状態が続きます。
だからこそ、
- レスパイト入院
- ショートステイ
- 訪問看護
- ヘルパー
などを利用しながら、
「休む」
ことを大切にしてほしいと思っています。
最後に
「治療の効果がありません」
と言われることは、とてもつらいことです。
でも、そのあとにも、
- 家族との時間
- 穏やかな時間
- 笑える時間
は、たくさん残っています。
訪問看護師として、
ご本人とご家族が少しでも安心して過ごせるように、これからも関わっていきたいと思っています。


