こんにちは。こんばんは。
40代シンママナースのたまごです。
介護用ベッドって、いつから使い始めればいいか迷いませんか?
「まだ寝たきりじゃないし……」
「介護用ベッドを使ったら、いよいよ病人みたいで嫌だ」
そんなふうに思われる方もいらっしゃると思います。
でも私は訪問看護師として、
介護用ベッドは「寝たきりになってから使うもの」ではない
と思っています。
本人が少しでも動きやすくなるため。
そして、介護するご家族の負担を少しでも減らすため。
介護用ベッドは、在宅生活を続けていくための一つの道具なんです。
今回は、訪問看護師として「そろそろ介護用ベッドを考えてもいいかも」と感じるタイミングと、導入するときに知っておいてほしいことについてお話したいと思います。
介護用ベッドは介護保険でレンタルできる?
介護保険で介護用ベッド(特殊寝台)をレンタルする場合、原則として要介護2以上の方が対象になります。
ただし、要支援1・2や要介護1の方でも、身体の状態など一定の条件を満たせば、例外的に介護保険でレンタルできる場合があります。
また、介護保険の対象にならなくても、自費で介護用ベッドをレンタルできる場合もあります。
料金やレンタルできるベッドは事業所によって異なるため、
「まだ要介護2じゃないから使えない」
と最初から諦めずに、担当のケアマネジャーや地域包括支援センター、福祉用具事業所などへ相談してみてください。
私が介護用ベッドをおすすめしたいタイミングは大きく2つ
訪問看護師としてご自宅へ伺っていると、
「そろそろ介護用ベッドがあったほうがいいかもしれないな」
と感じることがあります。
私が考えるタイミングは、大きく分けて2つです。
①家族がオムツ交換をするようになったとき
一つ目は、ご家族など介護をする人がオムツ交換をしなければならなくなったときです。
オムツ交換は、介護者に身体的にも精神的にも大きな負担がかかるケアの一つです。
オムツを交換するときには、
- 身体の向きを変える
- お尻を持ち上げる
- 身体を支える
- 汚れた部分をきれいにする
など、腰に負担がかかる動作がたくさんあります。
しかも、それを一日に何度も行わなければならないこともあります。
床や低い布団で毎日オムツ交換をするのは、本当に大変です。
そんなとき、介護用ベッドなら高さを調整することができます。
オムツ交換をするときには、介護者の腰に負担がかかりにくい高さへ。
転落の心配があるときには、ベッドを低くする。
その時々に合わせて高さを変えられるだけでも、介護する人の負担は変わります。
介護する人の身体を守ることも、在宅介護を続けるためにはとても大切なことです。
オムツ交換は毎日続くケアだからこそ、少しでも介護する人の負担を減らす工夫が大切です。夜間のオムツ交換についても、負担を減らす方法をまとめています。
▶「夜間のオムツ交換を楽にする方法|交換回数を減らす工夫とは?」
②床や畳から立ち上がるのが大変になったとき
二つ目は、本人が床や畳などの低い位置から立ち上がることが難しくなってきたときです。
低い場所から立ち上がるには、思っている以上に筋力が必要です。
ベッドの高さを調整して、足の裏がしっかり床につく高さにすることで、床や低い布団から立ち上がるよりも動作がしやすくなることがあります。ただし、低すぎると膝が曲がりすぎて余計に立ち上がりにくくなるんです。ちょうどいい高さを見つけるのも大変です。
年をとると、
「よいしょ」
と頑張って立ち上がること自体が億劫になることがありますよね。
私自身も「よいしょ」と言うことが増えてきました(笑)。
膝や腰に痛みがある高齢者の方なら、なおさらだと思います。
立ち上がるのが大変。
だから動きたくない。
動かないから寝ている時間が長くなる。
寝ている時間が長くなると筋力が落ちて、さらに動くことが大変になる。
その結果、転倒や寝たきりにつながってしまうこともあります。
だからこそ、
「自分で立ち上がりやすい環境を作る」
ことも大切なんです。
介護用ベッドは、本人を寝かせておくためだけのものではありません。
本人が自分で動き続けるために使うものでもある
と私は思っています。
寝ている時間が長くなると、筋力低下だけでなく床ずれのリスクも高くなります。寝たきりの方の床ずれについては、こちらでも詳しくお話しています。
▶「寝たきりの家族に多い『床ずれ』|原因と予防方法をわかりやすく解説します」
「介護用ベッド=病院のベッド」ではありません
ところで、介護用ベッドと聞くと、病院にあるようなベッドを思い浮かべませんか?
実際に、
「病人みたいになるから嫌だ」
と介護用ベッドを拒否される方もいらっしゃいます。
でも、在宅でレンタルできる介護用ベッドには、木目調などお部屋のインテリアになじみやすいものもあります。
福祉用具のカタログを見ると、いろいろな種類のベッドがあります。
「介護用ベッドなんて嫌!」
と思っている方も、一度カタログを見てみるとイメージが変わるかもしれません。
オムツ交換をするなら「ベッドを壁につけない」のがおすすめ
そして、介護用ベッドを導入するときに、私から一つだけお願いしたいことがあります。
特にオムツ交換が必要な方の場合、
できればベッドを壁にぴったりくっつけないでほしい
んです。
もちろん、お部屋のど真ん中に置いてくださいということではありません(笑)。
でも、オムツ交換をするときには、ベッドの左右どちらからでもケアできるほうが圧倒的に楽です。
シーツ交換をするときも同じです。
左右から手を入れられるだけで、介護する人の負担がかなり変わります。
自宅では、ベッドや家具を壁にくっつけて置きたくなりますよね。
でも介護が必要になったときは、
「部屋を広く見せる配置」より「介護しやすい配置」
を優先してもいいと思います。
少し家具の配置を変えるだけで介護が楽になるのであれば、ぜひ「楽なほう」を選んでほしいです。
ベッドの両側に介護者が入れるスペースがあると、オムツ交換やシーツ交換だけでなく、身体を拭く清拭などのケアもしやすくなります。
介護用ベッドは「寝たきりになってから」ではありません
私は、介護用ベッドは寝たきりになってから導入するものではないと考えています。
本人の活動量を維持するため。
自分で立ち上がれる時間を少しでも長くするため。
そして、介護するご家族の身体的な負担を減らすため。
介護用ベッドを使う理由はいろいろあります。
「楽に介護をする」
「楽に活動できる」
私は、この二つが在宅で暮らしていくうえでとても大切なことだと思っています。
「これくらい大丈夫」と我慢しないでください
自宅に訪問させていただくと、いつも思うことがあります。
それは、
本人も介護するご家族も、少しでも楽に毎日を過ごしてほしい
ということです。
もし、
「最近、立ち上がるのがつらいな」
「オムツ交換が大変なんだけど……」
「腰が痛くなってきた」
そんなふうに感じているのなら、
「年だから仕方ない」
「介護なんだから仕方ない」
と諦めたり、我慢したりしないでください。
そして、ぜひ私たちに教えてください。
訪問看護師も「少しでも楽になってほしい」と思っています。
でも、限られた訪問時間の中でケアをしていると、気づけないこともあります。
だから、
「これくらいのことで相談していいのかな」
なんて思わなくて大丈夫です。
介護用ベッドだけではなく、福祉用具やサービスを使うことで解決できることがあるかもしれません。
本人もご家族も、少しでも楽に自宅で暮らしていける方法を一緒に考えていきたいと思っています。
※介護用ベッドの利用について
介護保険での福祉用具貸与には、要介護度や身体状況などによって利用条件があります。また、自費レンタルの料金や取り扱いについても事業所によって異なります。
利用を検討される場合は、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、福祉用具事業所などへご相談ください。

