こんにちは。シンママナースのシロミです。
前回、介護保険の仕組みや申請について書かせていただきました。今回は在宅サービスについて書かせていただきたいと思います。
居宅サービスの種類
居宅サービスとは、自宅で暮らしながら介護を受けることができるサービスのことをいいます。
訪問サービス
種類 | 内容 |
訪問介護 | ・身体介護(入浴・排泄・食事など) ・生活援助(洗濯・掃除・調理など) ・通院介助(通院時の乗降介助など) |
訪問入浴介護 | 自宅に簡易浴槽を持ち込み、入浴の介助を行う。主に寝たきりや身体を動かすことができない人が利用する |
訪問看護 | 主治医の指示に基づき、看護師やリハビリスタッフが訪問。健康管理や療養上の世話、点滴などを含む診療の補助を行う |
訪問リハビリ | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が主治医の指示に基づき訪問しリハビリを行う |
居宅療養管理指導 | 医師・歯科医師・薬剤師・歯科衛生士が訪問し、療養上の管理や指導を行う |
通所サービス
種類 | 内容 |
通所介護(デイサービス) | 施設に通い入浴や食事、機能訓練、レクリエーションなどを行う。一日型や半日型などもあり、本人の希望にあわせて利用できる |
通所リハビリ(デイケア) | 医療機関もしくは介護老人保健施設に通い、リハビリテーションや食事・入浴などを行う。 |
短期入所サービス
種類 | 内容 |
ショートステイ (短期入所生活介護・短期入所療養介護) | 介護老人保健施設・介護老人福祉施設・病院などに短期間入所する ・家族の介護負担を軽減するために利用 ・普段は自宅で生活しているが、期間を決めて利用する |
福祉用具サービス
種類 | 内容 |
福祉用具貸与 (レンタル) | 日常生活の自立を助けるために福祉用具を貸し出しする |
福祉用具販売 | 入浴や排泄など直接肌に触れる福祉用具を販売する。費用の7~9割が支給される |
住宅改修サービス
自宅で生活する際に、住宅改修をしたほうが介護がしやすい・日常生活レベルがあがる、と検討される場合に改修費の7~9割が支給されるサービスのこと。工事費は20万円までが対象となります。
どれを選べばいいのか?
上記に挙げたものはすべて「自宅で生活する」ことを前提にしたサービスになります。そのため施設入居や入院などになった場合には利用できません。(施設の種類によっては利用できる場合はあります)
さまざまなサービスをどのように組み合わせることがベストであるか、多くの人が悩み迷われると思います。
わたしの私見ですが、同居する家族が楽になることを優先することは自宅介護をしていく中で、重要視してもいいと思います。
理由としては、家族が負担だと思う気持ちが増えれば増えるほど在宅介護は成り立たないからです。
日中一人にさせてしまうケース
いまは共働き家庭が主流です。ご主人・奥様ふたりともが正社員としてフルで働かれている家庭もたくさんあると思います。そうすると、留守番をしてもらわなければいけない状況が出てくるわけです。
これも私見ですが、転倒リスクがなければ一人にさせても問題はないと思います。やはり一人になることで転倒してしまう可能性がある場合には、できる限り一人にさせない状況をつくっていくことが大切になると思います。
一人にさせること=いけないことではありません。一人の時間を上手に過ごせる方はたくさんいらっしゃいます。「留守番をしてもらう」「孫(小さければ)が帰宅するのを出迎えてもらう」という役割をつくることも大切なことだと思います。
やりすぎないことが大切です
何かあったら困るからといって、毎日通所系のサービスを入れていくことがあります。
認知症がある場合やおむつ交換・トイレ誘導などが必要な場合は通所系のサービスをうまく利用することはお勧めします。
しかし特にそのような介助が必要ではない場合であれば、訪問介護での買い物同行(お買い物に一緒に行くこと)や家事支援(本人と一緒に掃除や洗濯をすることもできる。またはヘルパーさんにお任せする)などを利用することもお勧めです。
「何もしなくていいよ」というのは優しさではありません。生きる意欲がなくなってしまいます。なにより認知症リスクも上がってしまいます。
しかし、介護保険のルールとして同居家族のものは手伝うことができないというものがあります。
たとえば買い物同行ですが・・・「本人に必要な物の購入で同居家族の分は購入しないこと」というルールがあります。そのためご本人が使うものを一緒に買い物に行くということになります。
女性の方であれば「家族の食事を作ってあげたい」って思われる方もいるかもしれません。しかし「同居家族が食べるものは介護サービスでは調理できない」のです。もちろん、事業所によってはうまい具合にしてくれるところもあるかもしれません。でも大きな声では言えない内容だということになります。
しかし、どのようなサービスを導入するかと考えるときには「(毎日は無理でも)やれることはやってもらう」というスタンスでいいと思います。なんでもやってあげすぎないことは大切な考え方だということです。
代わりにやってあげていることはないですか
「やれることはやってもらう」ことは大前提ですが、実は家族が地味に負担になっていることの中に、わたしたち訪問看護師がお役に立てることがあります。
地味に時間がかかって、地味に神経を使う・・・「お薬の管理」です。
もちろん、「自分でできる」という方もたくさんいらっしゃいますが、飲み忘れや飲み間違いなどもけっこうあるんです。
ご家族が薬カレンダーにセットしてくれているのに「ちゃんと飲めています」と胸を張って威張っている方もいらっしゃいます。
一包化されている薬ならまだそこまで時間はかからないのですが、ヒート(錠剤のまま)で処方されているときにはそれをハサミでカットして小袋に分けて入れてくれているご家族もいらっしゃいます。
そんなときには週1回の30分でいいので訪問看護師を依頼してください。週に一回にはなりますが、ご家族の負担軽減につながると思います。時間が余れば、軽くリハビリをすることもできますし。体調管理もします。