こんにちは、こんばんは。40代シンママナースのたまごです。
前回は「治療効果がない」と言われた方へ訪問看護が開始になるということを書かせていただきました。
ショックを受けている方々の自宅に、訪問看護師が訪問させていただきます。わたしたちはわたちたちなりに・・・
「病態(=病気の状態)はどんな状態だろう?」
「痛みはあるのかな?」
「食事は入っているかな?」
「ご家族の協力はどれくらい得ることができるのかな?」
「どれくらい動くことができるかな?」
「受け入れてもらえるだろうか」
「不安を少しでも解消してもらえるだろうか」
などなど。利用者さん(患者とは言わないです)やご家族のことはもちろんですが、受け入れ状況などを含めて緊張しながらインターホンを押しています。
利用者さんやご家族はきっと、「どんな人が来るんだろう」「頼りになるのかなぁ」「助けてくれるかな」「今、自分たちには何が必要なんだろう」といろいろな思いを抱えていると思います。
私たちの仕事内容は色々です。もちろんできないこと(してはいけないこと)はあるのですが、基本的には利用者さんやご家族が望まれることについては出来る限り対応するようにします。
病状管理・・・血圧や体温測定はもちろんですが、お腹や胸の音を聴いて異常がないか確認します。異常というと不安になる方もいらっしゃると思いますが。お腹の動きが悪い(便秘気味?)や動きすぎ(腹痛?下痢?)、痰が詰まっている?息苦しい?などです。確認をしたうえでいつもと違えばDrへ報告。内服の調整や吸引、往診をしてもらうなどの対応を行います。
痛みが強くなっていないか、眠れているかなども確認します。
内服管理・・・利用者さんには薬がたくさんあって管理できていない人もたくさんいらっしゃいます。ご家族も仕事や家事・育児などで手一杯で薬まで手が回らない場合もあるため、薬カレンダーを使ったり、薬を一包化(一回分の薬をまとめて小袋に入れる)してもらうなどをして管理します。
保清・・・(点滴やチューブがあって)一人でお風呂に入ることが大変だったり、着替えることが大変だったりする人のお手伝いをします。入浴介助(手浴・足浴)や清拭(体を温タオルで拭きあげる)、陰部・臀部洗浄(オムツ使用の方は基本的に毎日)、洗髪などをします。浴室に行ける人は浴室で、ベッドから動くことができない人はベッドで。できる限りの保清をします。おむつ交換も行います。
点滴管理・・・食事や水分が入らない方など点滴をされている方もいます。24時間持続的にしている方もいれば、短時間(2,3時間だけ)の方もいらっしゃるのでそれぞれの主治医の指示に従って訪問回数を調整しながら管理します。ちなみに、点滴を止めるだけであればご家族にお願いすることも多いです。
褥瘡(じょくそう)管理・・・長時間、同じ姿勢で過ごしていると床ずれができてしまいます。床ずれになる前に、対処することが基本なのですが。残念なことに退院した時点や在宅生活の過ごし方では床ずれができてしまう場合があります。その際には洗浄して軟膏(Dr処方)をつけて処置を行います。もちろん、褥瘡ができないように動けなくなってきたな、横になっている時間が多くなってきたなと思えば福祉用具さんに連絡して褥瘡ができにくいマットレスに交換してもらうなどの対応はします。
その他・・・ベッド周りの片付けや入浴後の浴室の片付け、洗濯物が散乱していたら片付け(ある程度ですが)、食事が摂れていない人がいたら家にあるもので食事の支度(温める程度)をして提供する、尿器やポータブルトイレ(簡易的なベッドサイドなどに置くトイレ)の片付けなどをします。自宅で過ごされているので、ご家族が使うものには触れることはできないですが、利用者さんが使うところはしっかりと整備・整理していきます。
調整・・・調整というとすごくかっこいいのですが、実際は私たちにはできないこと(買い物や洗濯、部屋の掃除や抱きかかえて入るお風呂など)があるのでケアマネジャーさんに「こんなことに困っています」と相談をして、サービス(ヘルパーさんや訪問入浴、福祉用具など)を導入してもらったり追加してもらったりします。
24時間対応・・・基本的には定期の訪問は昼間(うちのステーションでは9時~18時)に行います。しかし、病気は24時間です。突然痛みが強くなったり、熱が出てきたり、不穏(落ち着かない状態)になったりします。そんな時には24時間365日、電話をしてもらえば追加訪問します。もちろんすっぴんで!!たぶん、多くの利用者さん・ご家族が一番のぞんでくださっていることだと思います。そのためスタッフと話し合い、自宅から30分圏内で到着できるところにしようと話をしています。
ご家族のケア・・・自宅での介護は、生半可なものではないと思っています。わたしたち訪問看護師がいても、訪問介護の方がいても、それは24時間のうちの数分(30分~1時間程度)です。メインで介護をしているのはご家族です。ご家族は毎日緊張されています。夜も熟睡できない状態が続いているため、やはり疲れがたまってきます。疲れると優しくできなくなり、優しくできない自分にいら立たれる方も多いです。表情や言葉の中から「疲れている」と感じたらレスパイト(ご家族を休ませるために利用者さんに入院してもらう)をお勧めすることもわたしたちの重要な仕事の一つです。
いろいろと挙げさせてもらいましたが、利用者さんによっては「できること」もあるので、ひとまずはお手伝いだけです。やはり病気の進行とともに「できなくなること」が増えてきます。利用者さんの程度にあわせてサービス内容を変更することも行っています。
医学知識はもちろんですが、利用者さんやご家族が「来てくれた」とホッとできる関係性を作り上げていきたいと思っています。
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