いま、いろいろなとことで言われている言葉なのですが。簡単に言うと「15~30歳代でがんになった世代」のことだそうです。
じゃあ40代からの人は?という話になりますよね。40代からの人は介護保険制度というのが使えます。なので、少し別枠でお話をしたいと思います。
今回お話をするのは、医療保険(基本的には)3割負担。介護保険の使用はできない。というAYA世代の方たちを対象に話をしたいと思います。
日本にはいろいろな保険制度がありますが、「がん」と診断を受けた人に「ケア」をしていくうえで必要な保険制度は「医療保険」と「介護保険」の2つです。
「がん」と診断されると、治療費や入院費など大きなお金が飛んでいきます。(もちろんがんだけではなく病気になると・・・ですが)
医療保険は年齢で自己負担の割合が変わります。(2023年現在)
①就学児~69歳→3割
②70~74歳→2割
③75歳以上→1割
注:②~③は所得によって割合が変わります。
高額療養費制度というものがあるので一概に3割全部を負担するわけではないですが、私の収入でいくと10~20万円(入院による食事、薬含む)くらいは飛んでいくのではないでしょうか?
わたしがAYA世代だとします。35歳、シングルにするといろんな制度が乗ってきちゃうので旦那さんがいて、子どももいて・・・の家庭にします。
わたしが「自宅に帰りたい」「子どもと一緒に過ごしたい」と言い出しました。
自宅に帰るための準備をします。
うちはベッドではなく布団なので、電動ベッドのほうがいいだろうと①ベッドを購入します。
家の中で歩くときにふらついて転んだら危険なので②手すりをつけます。
一人では家事を全部はできないので、③実母や義母にお願いすることになりました。
お風呂に一人で入るのは体力的に自信がないので④主人に手伝ってもらうことにします。
⑤病院に行って治療は続けますが、何かあった時のために⑥家に来てくれる先生も必要になります。
こどもが⑦薬局に薬を取りに行ってくれます。
食事が入らなかったり、痛み止めが原因で便秘になることがあるので⑧定期的に看護師さんが家に来てくれます。
まだまだ足りない部分があると思いますが、ひとまずこれくらいを想像します。
マーカーをつけさせてもらったところすべてお金がかかります。⑤~⑧は医療保険を使用します。支払う場所が違うので、申請すれば戻ってきますが、すべての医療機関に高額療養費制度の限界までの金額を支払う必要があります。(高額療養費が80000円とすれば、それぞれに80000円支払う。役所に申請して2、3か月後に返金されるという形)
①~④はAYA世代ならではの負担額です。40代以上であれば介護保険を利用して1~3割負担でレンタルしたり、ヘルパー利用をするなどで家族の負担も減らすことができます。※④については⑧の訪問看護師さんに依頼することは可能です。
ベッド購入(電動だから100,000円くらい?)、手すり設置費(30,000円くらい?)を含めると、「私が家に帰りたい」ということが初回で400,000円くらい。その後毎月(戻ってくるとはいえ、一時的に)300,000円くらいの出費になりますね。
子どもの教育費、食費、水光熱費・・・・いくらお金があってもやっていきません。
お金の心配をしてしまう。
AYA世代の人が「家に帰りたい」と言い出せない理由の一つだと、私は思っています。
AYA世代だけでなく、「がん」と診断された方には医療費を1割にするとか、介護保険を申請できるようにするとか・・・柔軟な対応ができないのかなぁと思います。もちろん、「がん」にもいろいろ種類はあるのでそこも柔軟にしていかないと医療費ひっ迫というものになってしまうと思いますが。
今の世の中、お金がなくて苦しんでいる人が多くいることはわかっています。
ただ、なりたくてなったわけでない「がん」という病気に対してもう少し「柔軟」に対応する世の中であってほしいなと思います。
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